”使える筋肉”とは?鍛え方を説明します。

富田
皆さんこんにちは、体重が増えすぎて50m全力で走ることもできない富田です。
皆さんがよく口にする「筋トレで鍛えた筋肉は使えない筋肉」
筋トレしてる人から言えば「ふざけるな」といいたいところですが、確かにアスリートと比べれば動けない筋肉と言えます。
じゃあなんで、アスリートは筋肉をつけつつあんなに素早い動きができるの?というところです。
もちろん、トレーニングでつけた筋肉であってその競技にあったトレーニングをしているからです。
今回はそのような方に向けたトレーニング方法をご紹介します。
なぜ動ける筋肉、動けない筋肉があるのか
動ける動けないというより詳しくは、素早い動きができる筋肉、できない筋肉と言った方が正解です。
身体を大きくしたいボディビルダーや男らしい筋肉をしたい人は、素早い筋肉はいらないからより大きくするためのトレーニングをしているという事です。
逆にアスリートのような素早い動きが必要となる競技では、大きい筋肉はいらないから素早さに特化したトレーニングを行っているという事になります。
なので、どちらもその競技によって使える筋肉、使えない筋肉があるという事です。
ここで疑問に思うのはボディビルダーもアスリートも同じ人間。身体にある筋肉は同じだからどーしてトレーニング方法で変わるの??というところです。
実は、筋肉にはタイプというのがあります。
そのタイプは人によって遺伝子などで変わるが、生まれたときは大きくは変わりません。
成長過程や身体を変えたいなどの目的でトレーニングを行うことでこのタイプは変わるのです。
身体を大きくしたい場合のトレーニングを行っていれば、身体は素早い筋肉はいらないと思いタイプは変わります。
アスリートのようにスピード系のトレーニングを行えば、素早い動きができる筋肉のタイプに移行するのです。

富田
身体を大きくしたいのにそれに適したトレーニングをしないと効率が非常に悪い。
このタイプの移行があり動ける筋肉、動けない筋肉があるという事です。
※もちろん体重・筋肉量が増えて動けなくなるというのもあります。
爆発的な力をつけるプライオメトリクス
身体を大きくしたいボディビルダーなどとは違い、素早く動ける身体を目的としている人は走る、跳ぶ、投げる、蹴るなどの力や、身体の「バネ」の能力をうまく使う必要があります。
常にガチガチになっているのではなく、脱力をうまく使い爆発的な力(パワー)が必要となります。
効率的な切り替えし動作、立ち上がり率、加速し続ける力など…
これを、ストレッチショートニングサイクル(SSC)といいます。
このSSCを鍛える方法が、「プライオメトリクス」です。
スピードの強化や加速、減速、切り返し動作が多いスポーツではまずは自分の体重で行い、ハンマー投げ、やり投げ、ジャンプ力向上などは重さを扱う必要があります。
使える筋肉。体幹の重要性
最大筋力、パワーの向上ともに大事となるのが、十分なコア(体幹)の構築が必要になります。
胴体、骨盤周辺を中心としたいわゆる体幹と言われる部分の筋力の強化は、動作中の姿勢を正しく保ち、身体の制御、特に重心のコントロールに大きく影響します。

富田
体幹は何するにおいても大切という事。
結果、発生した力を身体全体に効率よく働かせ、パフォーマンスの向上に繋がります。
また、動作中の傷害予防や軽減にも結びくのでしっかり体幹トレーニングも並行して行いましょう。
トレーニング前の準備
疲労した状態で行うと怪我をするリスクが増えるため、なるべくトレーニングの最初に実施するようにしましょう。
素早い動作を行うプライオメトリクスでは、急な切り替えし動作やジャンプなどを行うためしっかりウォームアップを入念に行ってから取り組むようにしましょう。
筋肉をゆっくり伸ばし反動をつけない静的ストレッチや反動を利用するバリスティックストレッチなどは発揮パワー、最大筋力、反応時間などが一時的に低下するため行わないようにしましょう。
お勧めはダイナミックストレッチと言われるストレッチ方法。
スポーツ動作を模範して行い脱力した状態で行いましょう。
例)サッカーのブラジル体操や、野球のシャドーピッチング、スキップなど…
使える筋肉のトレーニング方法
プライオメトリクスのトレーニングにおいて大切となることは脱力からの力を一気に発揮するという事です。

富田
この脱力がトップアスリートはとても上手です。

下半身の筋トレ
筋トレ①スクワットジャンプ
目的 下半身の爆発的筋力の向上
1.両足を肩幅に開き両手を頭の後ろに。
2.上体を起こし、股関節と膝関節と足関節を90°に曲げる。
3.垂直方向にできるだけ高く跳ぶ。(爆発的に)
4.着地時に膝を使い衝撃を吸収する。
筋トレ②垂直跳び
目的 垂直方向への爆発的筋力の向上
1.両足を腰幅程度に開く。
2.腕を若干曲げてリラックスした直立姿勢で構える。
3.腕の振りと下半身の素早いジャンプ動作で上へ高く跳ぶ。
筋トレ③立ち幅跳び
目的 水平方向への爆発的筋力の向上
1.両足を腰幅程度に開く。
2.リラックスした直立姿勢で構える。
3.腕の振りと下半身の素早いジャンプ動作で前に向かって遠くへ跳ぶ。
4.両足をそろえて着地する。
筋トレ④アンクルホップ
目的 下半身の素早い切り返し能力の向上(リバウンド)
1.膝を若干曲げ、両足を腰幅程度に開く。
2.上体をまっすぐ伸ばし腰に手を当てる。
3.つま先に重心をかけ踵を地面から離す。
4.足関節、膝、股関節を固定してなるべく地面との接地時間を短くして連続で高く跳ぶ。
筋トレ⑤ボックスジャンプ
目的 全身の素早い爆発的筋力の向上
地面より高い台を用意する。(台の高さを変えることで強度が変わる)
1.台にぎりぎり手が届く程度に間隔をあける。
2.両足を腰幅程度に開き腕を若干曲げた姿勢で構える。
3.腕を下から上に振り上げ身体全体を使ったジャンプで前方にジャンプする。
4.下半身を素早く曲げて安定した姿勢で台に着地する。
筋トレ⑥ラテラルバウンド
目的 側方への素早い切り返し動作の向上
1.足を腰幅程度に開き、膝を若干曲げた姿勢で構える。
2.片脚で力強く地面を蹴って側方へできるだけ遠くへ跳ぶ。
3.反対の脚で着地すると同時に素早く切り返して、スタート地点まで戻る。
4.地面と足が接地時は体幹を固定して行う。
上半身の筋トレ
筋トレ①プッシュアップジャンプ
目的 上半身の素早い動作の向上
1.腕を肩幅よりやや大きく開き地面につける。
2.身体をまっすぐ伸ばし腕立て伏せの姿勢で構える。
3.両腕を曲げ身体を下ろし素早く切り返して、腕を伸ばすとともに両手が地面から離れるように跳び上がる。
4.着地時に肘を少し曲げ、衝撃を吸収する。
※地面から跳び上がる際に身体が反らないように注意する。
筋トレ②サイドスロー
目的 体幹の回転動作の筋力の向上
バスケットボールサイズのボールを用意する。(バランスボールでも可)
1.両足を腰幅か肩幅程度に開く。
2.リラックスした直立姿勢で立つ。
3.両肘を軽く曲げ、ボールをお腹の高さで構える。
4.体幹と両腕の反動によってボールを、真後ろの壁へ投げる。
※腕だけで投げないように注意する。
筋トレ③シットアップスロー
目的 体幹と肩周りの爆発的筋力の向上
バスケットボールサイズのボールを用意します。(バランスボールでも可)
1.両膝を曲げて後頭部、背中、お尻、両足を地面につけます。
2.両肘を軽く曲げ、ボールを頭上に構えます。
3.身体を起こすと同時にボールをできるだけ遠くへ投げます。
上級者向け筋トレ(パワートレーニング)
筋トレ①パワークリーン
目的 全身の爆発的筋力の向上
スタート地点
1.腕を肩幅程度に広げ、腕を伸ばしバーベルを握る。
2.足を腰幅か肩幅に開き、バーベルの真下に母指球がくるように立ちます。
3.胸を張り背中を伸ばして脇を締めます。
動作
1.胸を張り、背中を伸ばした状態で股関節と膝を伸ばしバーベルを持ち上げる。
2.腕を伸ばしたままバーベルを身体の沿って持ち上げる。(ファーストプル)
3.2で持ち上げたバーベルが膝を越えたら、股関節、膝、足関節を爆発的に伸ばし、腕を伸ばしながら肩をすくめる。
4.3で肩をすくめたらすぐ肘を使いバーベルを持ち上げ胸の高さまで持ってくる。(セカンドプル)
※バーベルは常に身体に沿ってあげる・高くジャンプすることよりもつま先を伸ばすことを意識する。
5.バーベルが胸の位置まで来たら、素早く肘を前方に回転させると同時に手首を返し、膝と股関節を使い衝撃を吸収する。
※肩の前部と鎖骨付近でバーベルをキャッチする・呼吸は動作前に息を吸い、動作中は息を止める。
筋トレ②スクワットジャンプ(バーベル)
目的 ジャンプ動作での爆発的筋力の向上
スタート時
1.バーベルを肩幅よりも広く握る。
2.バーベルは首の出っ張った骨の下あたりに乗せる。
3.足は肩幅か腰幅に開きつま先をやや外側に向ける。
動作
1.上半身の姿勢をキープしたまま股関節と膝を曲げ、太ももが床と平行になるあたりまで下げる。
2.しゃがんだら素早く股関節、膝、足関節を爆発的に伸ばし、ジャンプする。
※ジャンプの際に肩からバーベルが落ちないようにする。
3.着地時は股関節と膝を使い衝撃を吸収する。
※着地の際は背中が丸まらないようにする・呼吸は動作前に息を吸い、動作中は息を止める。
変数
量・・・低負荷 10回×3~5セット、高負荷 1~5回×3~5セット
休息時間・・・低負荷 30秒~1分、高負荷 2~3分
頻度・・・48~72時間ため通常は週2~3回
より高い頻度で行う場合は、同じ部位を2日連続で行わないようにしましょう。
トレーニング後のケア
より効果を最大限に引き出すため、トレーニング後の静的ストレッチを入念に行うようにしましょう。
また、栄養をしっかり摂ることで身体の回復や、パワーの増大などに努めるため食事にも力を入れるようにしましょう。
以上がプライオメトリクスについてでした。
基礎筋力も必要なので、ウエイトトレーニングも行った方がより効果的です。
ぜひ、アスリートの方や目指す方、動ける身体が欲しい方は試してみてください。